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2007年冬、連休を利用して奈良を訪れた。 奈良は高校の修学旅行以来、11年ぶり。でも考えてみれば修学旅行なんて、旅のたの字も知らない年頃のひよっこが従順に各地を回るものであって、おおよそ旅とはいえない。 今回、この短かい旅で、時間と空間、美の価値、生命の共存などさまざまな事を想像する機会があった。そのことを、連載形式で小出しに書き留めておこうと思う。 まず、奈良といえばコレ!というくらい相当キャッチーなシロモノ、 シカについて。 シカ目当ての奈良旅行ではないのだが、奈良に着いたとたん、明石家さんまの「フンフンフンフン、シッカの〜フ〜ン〜」という「オレたちひょうきん族」で流行った歌がつい頭に浮かぶくらい、「奈良といえばシカ」である。 このシカ、駅に着いたとたんお出迎え、とまではならなかったものの、奈良公園の敷地に足を踏み入れるやいなや、悠々自適といわんばかりのアティテュードで散り散りに生息しているのを目の当たりにする。もちろん地面は糞だらけ。さんまの歌は至極正しい。 奈良のシカは天然記念物に登録されている。奈良公園から東大寺にかけてをテリトリーとし、千年以上も前から、木々や緑、寺、人といった他者を侵すことなく共存しているようだ。 しかし、多くの観光客にチヤホヤと可愛がられ、いじられているうちに、その生態がすっかり変わったのではないか。とりわけ南大門へ向かう手前の通りのシカは、まるで暴徒化した日光の猿。エサらしきものを持っている人間を見るやいなや反射的に近づき、あげくは乳母車に乗った赤ん坊にまで食いつこうとする。シカ煎餅など持っていたら最後、何頭ものシカに襲われ、ヒャーと情けないことこの上ない悲鳴をあげて逃げるしかない。 バンビなんていうキャラクターがあったりして、シカに対するイメージはキュートなものだったが、奈良に行くとそのイメージを覆されること間違いなしだろう。現に、「カワイイー」と言う観光客は一人も見当たらなかった。 そしてシカたちもまた、生きてるのか死んでるのかわからないような朦朧とした表情を浮かべている。めったに鳴かないのと(たまたま鳴いているシカに遭遇したが、その声はまるで幽霊女のような怨めしい声で、お世辞にもカワイイとは言えなかった)、めったに走らないのもそういった印象に拍車をかけているのかもしれないが、それにしても、何と言うか、生気がない。 唯一生気を感じるのは、人間が与えるエサに群がる時だけだ。 こんな光景を見ていたら、ふと、ジョージ・A・ロメロやルチオ・フルチの映画が頭をよぎった。 奈良のシカって、ゾンビみたいだな。 何するでもなくただフラフラと公園内を漂いながら、エサにはものすごい勢いで食いつき、かつ人間と一定の距離を保っている。 人類絶滅の危機にまで追い込むゾンビの方が、まだ生気があるのかもしれない。だが、シカは人間を食べないし、ちゃんとウンコもするし。最低限のルールは守っている。そういった意味では、シカは平城の京に一応は平和をもたらしているということか。 ともあれ、もはやカワイイなんて言っていられない動物の生態に、ただならぬ不安を覚えたのであった・・・
by a-karina
| 2007-02-15 00:13
| 日本
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